輸入ウイスキーの日本語表示とは|項目ごとの根拠になる日本の法令
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最終更新 2026-09-30
日本で売られている輸入ウイスキーの日本語の表示は、酒類業組合法(酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律)と、食品表示法に基づく食品表示基準(内閣府令)という日本の2つの決まりに基づくもので、品目、アルコール分、内容量、輸入者の名称と住所、引取先、20歳未満の飲酒防止の表示などが書かれます。英国の法令がスコッチに求める表示(スコッチのラベル表示ルール)とは別の、日本国内で販売するときの決まりです。
早見表
| 表示 | 例 | 根拠 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 品目 | ウイスキー | 酒類業組合法86条の5・同法施行令8条の3、食品表示基準3条 | 酒税法3条の品目名で書く |
| アルコール分 | 40% | 酒類業組合法86条の5・同法施行令8条の3 | 「40度」とも書ける |
| 内容量 | 700ml | 酒類業組合法施行令8条の3、食品表示基準3条 | 容器に詰めた量 |
| 輸入者の名称と住所 | 輸入者 ○○株式会社 | 酒類業組合法施行令8条の3第2項、食品表示基準3条 | 「販売者」と「輸入元」に分かれることがある |
| 引取先の所在地 | 引取先 ○○県… | 酒類業組合法施行令8条の3第2項 | 届け出た記号で代えられる |
| 添加物 | 使ったものの物質名 | 食品表示基準3条 | 酒類も表示事項 |
| 20歳未満の飲酒防止 | 20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています | 酒類業組合法86条の6、二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準 | 50ml以下は省略できる |
| 原材料名・原産国名 | ― | 酒類は表示を要しない(食品表示基準5条) | 書かれていても同基準の義務ではない |
| 保存方法・賞味期限 | ― | 酒類は省略できる(食品表示基準3条3項) | 書く場合は同基準に沿う |
2つの法令と日本語で書く理由
酒類業組合法86条の5は、酒類製造業者と酒類販売業者に、品目などの事項を容器や包装の見やすいところに表示するよう定めています。輸入品については同法施行令8条の3第2項が、保税地域から酒類を引き取る酒類販売業者に、引取りの時までに、住所と氏名又は名称、引取先の所在地、内容量、品目、アルコール分を表示させています。
食品表示基準8条1号は、表示を邦文で行うと定めています。消費者庁の食品表示基準Q&Aは、輸入品も輸入業者が国内で他の事業者へ販売する時点から邦文で表示しなければならず(加工-235)、酒類は酒類業組合法で保税地域から引き取るまでの表示が義務づけられている(加工-287)と説明しています。国税庁の説明資料では、酒類業組合法上の氏名又は名称は漢字・平仮名・片仮名で書き、登記どおりの文字で書く場合は平仮名か片仮名で読み方を添えます。2つの法令で共通する事項は、1つの表示で両方を満たします(国税庁 食品表示法Q&A 問18)。
輸入者・輸入元・販売者の欄
食品表示基準では、表示内容に責任を持つ事業者の氏名又は名称と住所を、「製造者」「加工者」「販売者」「輸入者」のいずれかの事項名で書きます。輸入業者なら「輸入者」が基本で、輸入業者との合意などで販売業者が表示責任者になるときは「販売者」です(食品表示基準Q&A 加工-114)。輸入品では、製造所の所在地の代わりに輸入業者の営業所の所在地と氏名又は名称を書き、表示責任者と同じなら省けます。
保税地域から引き取った酒類業組合法上の表示義務者が表示責任者と違う場合、国税庁のQ&A(問19)は「輸入元」という項目名で示すよう案内しています。「販売者」と「輸入元」が並ぶラベルでは、引き取った会社は「輸入元」の側です。引取先の所在地は、財務大臣に届け出た記号で表示することもできます(同法施行令8条の3第5項)。
品目・アルコール分・内容量
品目は酒税法3条の品目名で書くのが原則で、ウイスキーのうちアルコール分13度未満のものは「水割りウイスキー」とも書けます。瓶では商標のある側の胴・肩・口のあたりに表示しますが、ほかの表示事項とまとめる場合は底以外の面でもよく、裏ラベルにまとめるときは「品目:ウイスキー」のように項目名を付けます。
アルコール分について、国税庁の説明資料は13度以上14度未満の酒を例に「13度」「13%」「13.0度以上13.9度以下」など6通りの書き方を示しています。±1度の範囲で表示してよい扱いがあるのはビール、発泡酒、清酒、果実酒、その他の醸造酒で、ウイスキーは入っていません。度数の違いについては度数40%・43%・46%の違いで扱っています。
内容量は容器に詰めた量を、ml、mL、L、リットルなどの単位で書きます。商品の主要面に単位付きで書くときは「内容量」の文字を省けます(国税庁Q&A 問13)。なお、酒類業組合法と食品表示基準の表示事項に熟成年数は入っていません。英語のラベルの年数の意味はウイスキーの12年とはにまとめています。
義務ではない項目
食品表示基準5条は、酒類を販売する場合、原材料名、アレルゲン、原産国名の表示を要しないと定めています。国税庁のQ&Aは、酒類の原材料名と原産国名は清酒や果実酒などの表示基準で義務づけられているほか、公正競争規約などに基づく表示が行われていると説明しており、消費者庁の一覧では酒類の表示に関する公正競争規約7つの中に「輸入ウイスキー」があります。原産国は、景品表示法に基づく告示「商品の原産国に関する不当な表示」(昭和48年公正取引委員会告示第34号)で「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」と定義されています。
保存の方法、消費期限又は賞味期限、栄養成分の量と熱量も、酒類は省略できます(食品表示基準3条3項。栄養成分と熱量は栄養表示をする場合を除く)。保管の目安はウイスキーの保存方法にあります。一方、添加物は酒類でも表示が必要な事項です。
20歳未満の表示とスコッチの名称
二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準(平成元年国税庁告示第9号)は、容器か包装に「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨を、6ポイント以上(容量360ml以下は5.5ポイント以上)の日本文字で表示するよう定めています。内容量50ml以下のものや、専ら酒場・料理店などへの引渡しに使うものは省略できます。
「スコッチ・ウイスキー」は、2021年1月1日に発効した日英包括的経済連携協定で日本が保護する23の地理的表示の一つです。国税庁の「酒類の地理的表示に関する表示基準」により、産地以外の酒や生産基準を満たさない酒には、「型」「様式」などの言葉を添えても使えません。日本以外のWTO加盟国の地理的表示のうち、保護にあたって交渉などを通じて確認したものには、「地理的表示」「GI」の文字を併記する決まりは適用されません。
買うときに見るところ
- 裏ラベルの一括表示には、品目、内容量、アルコール分、輸入者(または販売者と輸入元)が並びます。どの会社が輸入したかの見分け方は正規品と並行輸入品の違いにまとめています。
- 日本語の内容量とアルコール分は、その瓶に詰めた量と度数です。英語のラベルの数字と照らし合わせられます。
- 賞味期限は酒類では省略でき、原産国名と原材料名は食品表示基準では酒類に求められていません。
- 50ml以下の小瓶は、20歳未満の飲酒防止の表示を省略できます。
出典
- https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000007
- https://laws.e-gov.go.jp/law/328CO0000000028
- https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/11/pdf/012.pdf
- https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/sakeqa/3007.pdf
- https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2025/pdf/0017.pdf
- https://laws.e-gov.go.jp/law/427M60000002010
- https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_250328_1030.pdf
- https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/fair_competition_code/industries
- https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/case_005
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よくある質問
- ウイスキーに賞味期限が書かれていないのはなぜですか。
- 食品表示基準3条3項により、酒類は保存の方法と消費期限又は賞味期限の表示を省略できるためです。国税庁の「食品表示法における酒類の表示のQ&A」(問25)も、酒類はこれらと栄養成分の量・熱量(栄養表示をする場合を除く)を省略できるとし、表示する場合は食品表示基準に沿って書くと説明しています。
- 輸入ウイスキーの原産国の表示は義務ですか。
- 食品表示基準5条では、酒類は原産国名の表示を要しないとされています。国税庁のQ&Aは、酒類の原産国名は清酒や果実酒などの表示基準で義務づけられているほか、公正競争規約などに基づく表示が行われていると説明しています。消費者庁の一覧では、酒類の表示に関する公正競争規約7つの中に「輸入ウイスキー」があります。
- 「輸入者」「輸入元」「販売者」はどう違いますか。
- 食品表示基準では表示内容に責任を持つ事業者を書き、輸入業者なら「輸入者」、輸入業者との合意などで販売業者が責任者になれば「販売者」です。保税地域から引き取った酒類業組合法上の表示義務者がその責任者と違う場合、国税庁のQ&A(問19)は「輸入元」という項目名で示すよう案内しています。