ウイスキー度数40%・43%・46%の違い|最低度数と171本の分布
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最終更新 2026-09-30
スコッチウイスキーの瓶詰め度数の下限は40%で、英国の The Scotch Whisky Regulations 2009(2009年スコッチウイスキー規則)が定めています。43%と46%には法律上の決まりがなく、43%は輸出先の市場の求めから、46%前後は冷却濾過をしない製品の度数として広まった業界の慣行です。
早見表
| 度数 | 決まりと背景 | このサイトの収録 | 収録の例 |
|---|---|---|---|
| 40% | 2009年規則が定める下限 | 40本 | アバフェルディ12年、ボウモア12年 |
| 43% | 法の定めはない。米国やアジアなどの市場が求めた度数とWSETは説明 | 49本 | ベンリアック・ジ・オリジナル・テン、オーヘントッシャン・スリーウッド |
| 46% | 法の定めはない。冷却濾過をしない製品に多い | 44本 | アンノック18年、アードベッグ・テン |
| 50%以上 | 規則が定めるのは下限だけ | 8本 | グレンファークラス105 60%、アードベッグ・ウイゲダール 54.2% |
このサイトが収録しているスコッチ171本(2026年9月30日時点)の度数は、40%が40本、43%が49本、46%が44本で、この3つで133本になります。ほかは43.1〜45.9%が9本、46.1〜49.9%が20本、50%以上が8本、度数を収録していないものが1本です。
40%は規則で決まった下限
2009年規則の第3条は、スコッチウイスキーの条件の一つに最低アルコール度数40%を挙げています。同じ条文にあるもう一つの度数は蒸溜時の94.8%未満で、瓶詰め度数の上限は定めていません。40%に届かないものはこの定義に当てはまらず、スコッチウイスキーではありません。
40%が標準になった経緯について、業界誌 scotchwhisky.com(2017年)は、1917年2月1日に英国政府がウイスキーの販売度数について30アンダープルーフ(40%)の基準を定め、1920年の増税では値上げによる転嫁も禁じられたため、40%を超える瓶詰めができなくなったと説明しています。ワインと蒸溜酒の教育機関WSETは2026年の記事で、40%を最低度数として初めて正式に定めたのは1988年のスコッチウイスキー法だと書いています。
米国と日本にも40%の基準があります。米国の連邦規則 27 CFR 5.143(a) はウイスキーを40%(80プルーフ)以上で瓶詰めするものとし、日本では日本洋酒酒造組合が2021年2月12日に制定した自主基準が、「ジャパニーズウイスキー」と表示する条件の一つに充填時のアルコール分40度以上を挙げています。
43%は市場の事情で広まった
WSETの記事は、米国やアジアなどの国際市場がやや高い度数を求めたことで、43%に落ち着くことが多かったと説明しています。2009年規則にも、英国政府が公開している製品仕様書(2019年6月版)にも、43%という度数の決まりは出てきません。
このサイトの収録では43%が49本で、40%や46%より多くなっています。ディアジオの蒸溜所の製品では、ラガヴーリン16年、オーバン14年、ダルウィニー15年、カリラ12年、グレンキンチー12年をいずれも43%で収録しています(所有企業の一覧はスコッチ蒸溜所の親会社とは)。43.1〜45.9%の9本は、タリスカー10年など5本の45.8%、モートラック12年・16年・20年の43.4%、ジュラ18年の44%です。
46%前後は冷却濾過をしない製品の慣行
46%を定めた法令はありません。2009年規則と製品仕様書の本文には、46%という数字も、冷却濾過をしない製品の度数の決まりも出てきません。製品仕様書は、瓶詰め前の冷却濾過は一般的だが常に行うわけではないとし、低温で一部の長鎖エステルが溶けきれなくなって濁りや沈殿になるのを防ぐ工程だと説明しています。
WSETは、46%を下回ると一部の成分が温度の低下や加水で凝集し、濁ることがあると書いています。蒸溜所の例では、アンノックの公式サイトがアンノック18年を46%とし、冷却濾過も着色もせずに瓶詰めしたと説明しています。46%ちょうどではなく、46.3%で瓶詰めする銘柄もあります(ノンチルフィルターとは)。
このサイトの収録では、46%が44本、46.1〜49.9%が20本です。後者にはブナハーブン12年、トバモリー10年、レダイグ10年の46.3%、ラフロイグ・クォーターカスクとラガヴーリン8年の48%などがあります。
50%以上の8本
このサイトの収録で50%以上は、アードベッグ・ウイゲダール 54.2%、アードベッグ・コリーヴレッカン 57.1%、ブルイックラディ・クラシックラディ 50%、ポートシャーロット10年 50%、オクトモア14.1 59.9%、グレンスコシア・ヴィクトリアーナ 51.5%、グレンファークラス105 60%、スプリングバンク・ローカルバーレイ 52.5%の8本です。
度数が高いことと、加水せずに瓶詰めしたことは別の事柄です。製品仕様書は、カスクストレングスのスコッチについて熟成後に度数を調整してはならないとしています。表記の決まりはカスクストレングスとはで扱っています。
同じ銘柄で国によって度数が違う例
ラフロイグの公式サイトは、定番の10年を40%に下げて瓶詰めすると説明しています。一方、日本の輸入元のサントリーは、ラフロイグ10年を750ml・43%で販売しています。このサイトはラフロイグ10年を40%で収録しており、日本の正規品とは度数が違います。
通販では、日本の正規品と、他国向けの品を輸入した並行輸入品が同じ商品名で並ぶことがあります(並行輸入品とは)。
買うときに見るところ
- 度数の書き方:英国とEUの食品表示の規則(規則(EU) No 1169/2011 附属書XII)は、実際の度数を小数点以下1桁までの数字と「% vol」で示すとし、ビールやワイン類など附属書が個別に挙げたもの以外の飲料(ウイスキーを含む)では、表示との差を±0.3% volまでとしています。45.8%や46.3%のように小数点以下まで書く度数もこの書き方です。
- 米国向けの表記:米国のプルーフは度数の2倍の数字で、80プルーフが40%、86プルーフが43%、92プルーフが46%にあたります。
- 日本の裏ラベル:国税庁の資料は、酒類業組合法による表示事項の一つにアルコール分を挙げています。輸入品は一括表示で度数、容量、輸入者を確かめられます(日本の裏ラベル)。
- 通販の商品名:「43度 750ml」「40% 700ml」のように度数と容量が書かれていれば、仕様の違う品を見分ける手がかりになります。書かれていない場合は、商品画像の裏ラベルで確かめます。
- Non-chill filtered と Cask Strength:46%や50%を超える製品でも、冷却濾過や加水の有無は度数だけでは分かりません。ラベルの表記や公式の説明で確かめます(ラベル表示のルール)。
出典
- https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/3
- https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/pdfs/uksi_20092890_en.pdf
- https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5fd36667e90e07662ed92c85/Scotch_Whisky_Technical_File_-_June_2019.pdf
- https://www.law.cornell.edu/cfr/text/27/5.143
- https://www.yoshu.or.jp/files/libs/550/202303291553482719.pdf
- https://www.legislation.gov.uk/eur/2011/1169/annex/XII
- https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/pdf/0020002-131.pdf
- https://www.wsetglobal.com/knowledge-centre/blog/2026/from-40-to-cask-strength-understanding-whisky-abv
- https://scotchwhisky.com/magazine/ask-the-professor/12295/why-is-scotch-whisky-bottled-at-40-abv/
- https://www.ancnoc.com/our-whiskies/2-18-years-old
- https://www.laphroaig.com/whiskies/10-year-old-cask-strength-batch-17
- https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000039/0000000106.html
- https://products.suntory.co.jp/d/5010019640253/
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よくある質問
- ウイスキーの度数40%と43%は何が違いますか。
- 40%はスコッチウイスキーの法律上の下限で、2009年スコッチウイスキー規則が最低アルコール度数40%を定めています。43%には法律上の決まりがなく、ワインと蒸溜酒の教育機関WSETは、米国やアジアなどの市場がやや高い度数を求めた結果、43%に落ち着くことが多かったと説明しています。このサイトが収録しているスコッチ171本では、40%が40本、43%が49本です(2026年9月30日時点)。
- 46度のウイスキーは何が違いますか。
- 46%は法律で決まった度数ではなく、冷却濾過をしない製品に多い業界の慣行です。WSETは、46%を下回ると一部の成分が低温や加水で凝集して濁ることがあると説明しています。アンノック18年のように、46%で冷却濾過も着色もしないと公式に説明している製品がありますが、度数だけでは冷却濾過の有無は分かりません。このサイトの収録では46%が44本です。
- 同じ銘柄なのに度数が違うのはなぜですか。
- 国や市場によって瓶詰めの仕様が違うことがあるためです。ラフロイグの公式サイトは定番の10年を40%に下げて瓶詰めすると説明していますが、日本の輸入元のサントリーはラフロイグ10年を750ml・43%で販売しています。通販では日本の正規品と並行輸入品が同じ商品名で並ぶことがあるので、商品名や裏ラベルの度数と容量を確かめます。