ブレンデッドのキーモルトとは|公式が名前を挙げている構成原酒
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最終更新 2026-09-30
キーモルトは、ブレンデッドウイスキーの香りや味わいの中心になるモルト原酒を指す呼び名です。英国のスコッチウイスキー規則2009には定義がない言葉で、ブランドの所有企業や日本で販売する会社が、ブレンドの要になる蒸溜所を説明するときに使っています。
このページの表には、所有企業・ブランド・日本で販売する会社が蒸溜所の名前を挙げている組み合わせだけを載せています。どの原酒を何割使うかは、表の各社の説明には出てきません。
早見表
| ブランド | 公式が名前を挙げている蒸溜所 | 公式の言い方 | 説明している会社 |
|---|---|---|---|
| ジョニーウォーカー | カーデュ | 重要な構成要素 | ディアジオ |
| ジョニーウォーカー | カーデュ、クライヌリッシュ、グレンキンチー、カリラ | ブレンドの重要な原酒 | ディアジオ(2022年8月) |
| シーバスリーガル | ストラスアイラ | 本拠地であり心臓部/キーモルト | シーバス・ブラザーズ、ペルノ・リカール・ジャパン |
| バランタイン | グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファース | 心臓部・土台・余韻/香りや味わいのキー | ペルノ・リカール(2017年10月)、サントリースピリッツ |
| デュワーズ | アバフェルディ | ブレンドの心臓部になるモルト | アバフェルディ蒸溜所 |
| ティーチャーズ | アードモア | ハイランドクリームに独特の風味を与える | ティーチャーズのブランドサイト(商標はサントリーグローバルスピリッツ) |
| J&B レア | ノッカンドゥ、ストラスミル、グレンスペイ、オスロスク | ブレンドの心臓部 | ディアジオ |
| ベル(Bell's) | ブレアアソール | 主なモルト原酒 | ディアジオ |
| オールドパー | クラガンモア | ブレンドでの役割 | ディアジオ |
ディアジオの説明は同社のモルトウイスキーのサイトmalts.comと2022年8月25日の発表、シーバス・ブラザーズの説明は同社の歴史資料サイト、ティーチャーズの説明はブランドの英語サイトによります。英語の heart は「心臓部」、key component は「重要な構成要素」、key ingredients は「重要な原酒」と訳しています。
法令の用語ではない
スコッチウイスキー規則2009の規則3は、ブレンデッドスコッチウイスキーを、1種類以上のシングルモルトと1種類以上のシングルグレーンを混ぜたものと定めています。どのモルトを中心にするかの決まりはなく、区分を定める規則3にも、用語の定義を並べた規則4にも、キーモルトに当たる言葉はありません。区分名の書き方は区分名の表示に、混ぜる相手のグレーン原酒はグレーンウイスキーとはにまとめています。
英国政府が公表している技術ファイル(2019年6月版)は、1本のブレンデッドに50種類以上のシングルモルトとシングルグレーンが入ることがあり、配合はブレンダーごとの厳重に守られた秘密だと説明しています。多くの会社が原酒を互いに取引して、使える原酒の種類を増やしているとも書いています。
日本で販売する会社もこの言葉を使っています。ペルノ・リカール・ジャパンは2022年2月の発表で、シーバスリーガルの「キーモルト」となるシングルモルトがストラスアイラ蒸留所で造られていると説明しました。サントリースピリッツは2019年4月の発表で、グレンバーギー、ミルトンダフ、グレントファーズの15年を「バランタインのキーモルト3種」と呼んでいます。キリンビールも2016年の発表で、ジョニーウォーカー グリーンラベル15年を、タリスカー、カリラ、クラガンモア、リンクウッドを「キーモルト」とした商品と説明しました。
同じ会社の蒸溜所が中心になる例
- シーバスリーガル: シーバス・ブラザーズは1950年にストラスアイラを買い、「シーバスリーガルの本拠地であり心臓部」と説明しています。ペルノ・リカール・ジャパンの2022年2月の発表では、シーバスリーガル12年は700ml・40%です。蒸溜所名のシングルモルトとしてストラスアイラ12年もあります。
- デュワーズ: アバフェルディの公式サイトは、ジョン・デュワーの息子ジョン・アレクサンダーとトミーが、デュワーズのブレンドの心臓部になるモルトを造る目的でこの蒸溜所を建て、1898年に生産を始めたと説明しています。日本ではバカルディ ジャパンがデュワーズとアバフェルディ12年を扱っています。
- ティーチャーズ: ブランドの英語サイトによると、ウィリアム・ティーチャーの息子アダム・ティーチャーは1895年にアバディーンシャーの鉄道沿いの土地を買い、1897年に蒸溜所の建設を始めましたが、翌年に亡くなり、完成を見ていません。同サイトは、アードモアがいまもティーチャーズ ハイランドクリームに独特の風味を与えていると説明しています。
- ベル: ディアジオは、ブレアアソールが年間約280万リットルの原酒を造り、シングルモルトとして瓶詰めするほか、ベル オリジナルの個性づけに使うと説明し、ベルのブレンデッドの主なモルト原酒を造る蒸溜所としています。
- オールドパー: ディアジオは、1869年創業のクラガンモアを、オールドパーのブレンドでの役割で知られる蒸溜所と説明しています。
ジョニーウォーカーは4か所を挙げる
ディアジオは、スペイサイドのカーデュをジョニーウォーカーの「重要な構成要素」と説明しています。2022年8月25日の発表では、グレンキンチー、カーデュ、カリラ、クライヌリッシュを、ジョニーウォーカーのブレンドの重要な原酒と認められている4蒸溜所として挙げ、カリラの見学施設の開業でこの4か所への投資が完了したと伝えました。
ラベル単位では、ブランドの日本語サイトが18年の説明でブレア・アソル、グレン・エルギン、カルドゥの名前を出しています。ラベルごとの原酒と度数はジョニーウォーカーの種類にまとめています。
バランタインとJ&Bは役割を分けて説明する
ペルノ・リカールは2017年10月にバランタインの15年のシングルモルト3本を出したとき、グレンバーギーを「バランタインの個性の心臓部」、ミルトンダフを「土台」、グレントファースを「なめらかで繊細な長い余韻」を担う原酒と説明しました。シーバス・ブラザーズの歴史資料も、ミルトンダフを「バランタインのキーモルト」の1つとしています。
日本ではサントリースピリッツが、バランタインの「香りや味わいのキーとなっている」グレンバーギーとミルトンダフの15年を2018年1月23日に発売しました。2019年6月4日には、グレントファースの15年を「グレントファーズ15年」の名で加えた3本を発売しています。どれも700ml・40%です。
J&B レアについてディアジオは、42種類のモルトとグレーンを混ぜたブレンドで、その心臓部をノッカンドゥ、ストラスミル、グレンスペイ、オスロスクなどスペイサイドのモルトが形づくると説明しています。
表に入れていない組み合わせ
ブランドの歴史に蒸溜所が出てきても、公式が原酒としての役割を書いていなければ表には入れていません。たとえば、ホワイトホースを日本で販売するキリンの商品ページは、創業者ピーター・マッキーがアイラ島のラガヴーリン蒸溜所のオーナーだった叔父のもとでウイスキー造りを学んだと説明していますが、キーモルトという言い方はしていません。
買うときに見るところ
- 区分名: 正面ラベルに「Blended Scotch Whisky」とあればモルトとグレーンを混ぜたもの、「Blended Malt Scotch Whisky」とあれば2か所以上の蒸溜所のシングルモルトを混ぜたもので、グレーンは入りません。
- ブランド名と蒸溜所名が並ぶ商品: 「バランタイン シングルモルト グレンバーギー15年」のような商品は、その蒸溜所だけで蒸溜したシングルモルトで、ブレンデッドではありません。
- 蒸溜所名が商品名の瓶: 規則9により、規則の附則1に載る蒸溜所名をブランド名に使えるのは、その蒸溜所で全量を蒸溜した場合だけです。ストラスアイラ12年やアバフェルディ12年は、キーモルトの蒸溜所のシングルモルトです。
- カタカナの違い: カーデュはジョニーウォーカーの日本語サイトでは「カルドゥ」、グレントファースはサントリーの商品名では「グレントファーズ」です。通販で探すときの表記の違いは蒸溜所名の読み方にまとめています。
出典
- https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/3
- https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/4
- https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/9
- https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5fd36667e90e07662ed92c85/Scotch_Whisky_Technical_File_-_June_2019.pdf
- https://www.malts.com/en/cardhu
- https://www.diageo.com/en/news-and-media/press-releases/2022/diageo-opens-caol-ila-distillery-marking-completion-of-four-corners-of-scotland-investment
- https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2016/0705_01.html
- https://www.johnniewalker.com/ja-jp/our-whisky/core-range/johnnie-walker-aged-18-years
- https://history.chivasbrothersarchive.com/timeline/
- https://www.bar-times.com/contents/97040/
- https://www.pernod-ricard.com/en/media/first-single-malt-series-ballantine-s
- https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP464000_R21C17A1000000/
- https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP506753_S9A400C1000000/
- https://www.aberfeldy.com/us/en/history-and-heritage/
- https://www.bacardijapan.jp/products/brands/aberfeldy/
- https://www.dewars-jp.com/heritage.html
- https://www.teacherswhisky.com/our-story
- https://www.malts.com/en/products/j-b-rare-blended-scotch-whisky-70cl
- https://www.malts.com/en-us/blair-athol
- https://www.malts.com/en-us/distilleries/cragganmore
- https://www.malts.com/en/cragganmore
- https://www.kirin.co.jp/alcohol/whisky_brandy/whitehorse/
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よくある質問
- キーモルトとは何ですか?
- ブレンデッドウイスキーの香りや味わいの中心になるモルト原酒を指す呼び名です。英国のスコッチウイスキー規則2009に定義はなく、ブランドの所有企業や日本で販売する会社が、ブレンドの要になる蒸溜所を説明するときに使います。英国政府の技術ファイル(2019年6月版)は、1本のブレンデッドに50種類以上の原酒が入ることがあり、配合はブレンダーごとの秘密だと説明しています。
- シーバスリーガルのキーモルトはどこの蒸溜所ですか?
- スペイサイドのストラスアイラです。シーバス・ブラザーズは1950年にこの蒸溜所を買い、シーバスリーガルの本拠地であり心臓部と説明しています。日本で販売するペルノ・リカール・ジャパンも2022年2月の発表で、キーモルトとなるシングルモルトはストラスアイラ蒸留所で造られていると説明しています。
- ジョニーウォーカーのキーモルトは何ですか?
- ディアジオは、スペイサイドのカーデュをジョニーウォーカーの重要な構成要素としています。2022年8月25日の発表では、カーデュ、クライヌリッシュ、グレンキンチー、カリラの4蒸溜所を、ブレンドの重要な原酒と認められている蒸溜所として挙げました。キリンビールは2016年に、グリーンラベル15年のキーモルトをタリスカー、カリラ、クラガンモア、リンクウッドと説明しています。