ラフロイグ・ラガヴーリン・アードベッグの違い|南岸キルダルトンの3蒸溜所

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最終更新 2026-09-30

目次
  1. 早見表
  2. 南岸の並び
  3. 所有企業と日本の輸入元
  4. 製麦とピートの公表値
  5. 定番3本の度数と樽
  6. 買うときに見るところ
  7. 出典

ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグは、アイラ島南岸のポートエレン村から東へ延びる海沿いの道に、この順で並ぶ3つの蒸溜所です。所有企業はラフロイグがサントリー・グローバル・スピリッツ、ラガヴーリンがディアジオ、アードベッグがLVMH傘下のグレンモーレンジィ社で、定番のアルコール分はラフロイグ10年が43%(日本でサントリーが扱う750ml)、ラガヴーリン16年が43%、アードベッグ10年が46%です。

早見表

項目ラフロイグラガヴーリンアードベッグ
創業1815年1816年1815年
所有企業サントリー・グローバル・スピリッツディアジオグレンモーレンジィ社(LVMH傘下)
日本の輸入元サントリーディアジオ ジャパンモエ ヘネシー ジャパン
定番ラフロイグ10年ラガヴーリン16年アードベッグ10年
定番のアルコール分43%(日本向け750ml)43%46%
公式が示すピート値10年などで35〜45ppm記載が見当たらない最低55ppm
自社での製麦フロアモルティングを続けている1974年に終了1981年に終了
定番の熟成樽元バーボン樽オーク樽(公式の表記)バーボン樽

創業年は各蒸溜所の公式サイトの表記です。ラガヴーリンについては、ディアジオのブランドページが「1742年から蒸溜されてきた」とも記しています。ラガヴーリン16年とアードベッグ10年の度数は日本の輸入元のページで確かめられなかったため、ディアジオの米国向け公式通販とアードベッグの公式の製品情報の値を載せています。ピート値は、ラフロイグがサントリーの説明では40〜45ppm、アードベッグが日本の輸入元のブランドページでは50〜65ppmです。

南岸の並び

ポートエレン村から南岸の道を東へ進むと、ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグの順に蒸溜所が現れます。ディアジオはラガヴーリンの位置を村から約2マイル(約3.2km)としており、観光案内サイトのUndiscovered Scotlandはアードベッグを村の東3マイル余り(約5km)としています。同サイトによると、アードベッグの先は1車線の道になり、さらに4マイルほど進むとキルダルトン教会の廃墟があります。業界誌のscotchwhisky.comは島のこの一帯をキルダルトンと呼び、ラガヴーリンをアードベッグとラフロイグの間にある蒸溜所と説明しています。島の観光案内サイトIslay Infoも、3つを「キルダルトンの蒸溜所」と紹介しています。

仕込み水について、ラフロイグの公式サイトはキルブライド・ストリームと呼ぶ小川の水、アードベッグの公式サイトは蒸溜所の裏手の丘を3マイル上ったウーガダール湖の水を使うと説明しています。島のほかの蒸溜所の場所はアイラモルトとはにまとめています。

所有企業と日本の輸入元

ラフロイグは、1815年にアレクサンダーとドナルドのジョンストン兄弟が創業しました。所有するサントリー・グローバル・スピリッツは、サントリーホールディングスの蒸溜酒部門だったビーム サントリーが、2024年4月30日に社名の変更を発表した会社です。発表文は、ラフロイグとボウモアを同社のスコッチの主要ブランドに挙げています。日本ではサントリーが扱っています。

ラガヴーリンは、1816年にジョン・ジョンストンが創業しました。scotchwhisky.comによると、1997年からディアジオが所有しています。日本では以前MHD モエ ヘネシー ディアジオが扱っていましたが、ディアジオ ジャパンが2023年7月1日から販売を引き継いでいます(同年6月14日発表)。

アードベッグは、1815年にジョン・マクドゥーガルが蒸溜の免許を取ったのが始まりです。公式の年表では1981年と1991年に閉鎖を経験し、1997年に再開しています。LVMHは、この1997年にグレンモーレンジィ社が買収したことで蒸溜所が存続したと説明しており、scotchwhisky.comによると、グレンモーレンジィ社自体は2004年にLVMHに売却されました。日本ではMHD モエ ヘネシー ディアジオが扱ってきましたが、同社はディアジオとの合弁を解消し、2026年7月1日にモエ ヘネシー ジャパンへ社名を変えています(日本食糧新聞、2026年6月10日)。

製麦とピートの公表値

ピートの値(ppm)は燻した麦芽に付いたフェノール類の量で、瓶の中のウイスキーを測った値ではありません。測り方や限界はウイスキーのピートとはで扱っています。The Scotch Whisky Regulations 2009にはピートの規定がなく、数値を公表するかは各社の判断です。

ラフロイグは、自社で麦芽を作るフロアモルティングを続けています。公式サイトによると、床に最大7トンの大麦を広げて毎日かき混ぜ、1840年に建てたキルンでピートの煙を10〜12時間当てます。scotchwhisky.comによると、自社の製麦でまかなうのは必要量の約20%で、残りはポートエレンの製麦所から調達しています。公式サイトは、10年やカスクストレングスのフェノール値をおおむね35〜45ppmとし、サントリーは麦芽のフェノール濃度を40〜45ppmと説明しています。

ラガヴーリンの自社のフロアモルティングは1974年に閉じられました。その前年の1973年には、ポートエレンの旧蒸溜所の隣にドラム式の製麦所が建てられ、当初はカリラ、ラガヴーリン、ポートエレンの3蒸溜所に麦芽を送っていました(scotchwhisky.com)。ラガヴーリンの公式サイトとディアジオのブランドページにはフェノール値の記載が見当たらず、scotchwhisky.comも数値は示さずに「ヘビリーピーテッド」とだけ記しています。

アードベッグは1981年に自社の製麦をやめ、ポートエレンの麦芽を使っています(scotchwhisky.com)。公式サイトは麦芽のフェノール値を最低55ppmとし、日本の輸入元モエ ヘネシー ジャパンのブランドページは50〜65ppmとしています。蒸溜では、スピリットスチルのラインアームにピュリファイアーと呼ぶ装置があり、重い成分の蒸気を集めて冷やし、釜に戻して蒸溜し直すと公式は説明しています。

定番3本の度数と樽

ラフロイグ10年は、日本ではサントリーが750ml・43%で扱っています。公式サイトは元バーボン樽で10年熟成させたと説明しています。ラフロイグの原酒はほぼすべてが、少なくとも一時期、ケンタッキー州のメーカーズマークから調達した元バーボン樽で熟成されると公式は説明しており、サントリーは貯蔵樽のほとんどがファーストフィル(バーボンを払い出した直後の樽)のバーボン樽だとしています。

ラガヴーリン16年は、ディアジオの米国向け公式通販では750ml・43%で、ディアジオは「オーク樽で16年以上熟成」と説明しています。

アードベッグ10年は、公式の製品情報で46%・70cl、樽はバーボン樽で、冷却濾過をしないノンチルフィルターです。

買うときに見るところ

  • 年数:アードベッグ10年の英語の公式名は「Ardbeg Ten Years Old」で、年数を「Ten」と綴ります。日本の輸入元の表記は「アードベッグ 10年」です。ラベルの年数は瓶の中で最も若い原酒の熟成年数で、The Scotch Whisky Regulations 2009第12条は、年数を示せるのは最も若い原酒を指す場合に限るというEUの蒸溜酒規則(Regulation (EC) No 110/2008 第12条3項)の義務に触れたうえで、年数を「年」で表すよう定めています。
  • 容量:ラフロイグ10年はサントリーの取り扱い品が750ml、アードベッグ10年は公式の製品情報が70cl、ラガヴーリン16年はディアジオの米国向け公式通販が750mlです。買うときは瓶の表示で確かめます。
  • 冷却濾過:アードベッグ10年は、公式の製品情報に「Non Chill-filtered」とあります。
  • ほかの銘柄名:サントリーのラフロイグの製品ページには、10年のほかにセレクト(700ml・40%)が載っています。クオーターカスク(700ml・48%)は、サントリーが2020年6月2日に数量限定で発売しました。アードベッグは、日本の輸入元のブランドページにウィー・ビースティー 5年、10年、ウーガダール、コリーヴレッカンが載っています。ラガヴーリンは、MHD モエ ヘネシー ディアジオが2018年5月9日に日本での8年(700ml・48%)の発売を発表しています。
  • ピート値:ppmは法令で表示が求められる項目ではありません。数値は、蒸溜所や輸入元の公式の説明で確かめることになります。

出典

  • Laphroaig「Heritage」: https://www.laphroaig.com/heritage
  • Laphroaig「How to Make Whisky」: https://www.laphroaig.com/how-to-make-whisky
  • Laphroaig「What Makes Smoky Whisky So Distinctive?」: https://www.laphroaig.com/whisky-stories/peated-whisky
  • Laphroaig「10 Year Old」: https://www.laphroaig.com/whiskies/10-year-old
  • サントリー「ラフロイグ製品解説」: https://www.suntory.co.jp/whisky/laphroaig/products/
  • サントリー「ラフロイグ 製造工程」: https://www.suntory.co.jp/whisky/laphroaig/process/
  • サントリー 商品情報「ラフロイグ10年 750ml瓶」: https://products.suntory.co.jp/d/5010019640253/
  • サントリー ニュースリリース「ラフロイグ クオーターカスク」数量限定新発売(2020年4月7日): https://www.suntory.co.jp/news/article/13697.html
  • Suntory Global Spirits「Beam Suntory Rebrands to Suntory Global Spirits」(2024年4月30日): https://www.suntoryglobalspirits.com/news/beam-suntory-rebrands-suntory-global-spirits
  • Suntory Holdings「Suntory Holdings' Spirits Arm Beam Suntory Rebrands to Suntory Global Spirits」: https://www.suntory.com/news/article/14590E.html
  • scotchwhisky.com「Laphroaig」: https://scotchwhisky.com/whiskypedia/1875/laphroaig/
  • Malts.com「Lagavulin Distillery」: https://www.malts.com/en-us/distilleries/lagavulin
  • Malts.com「Lagavulin 16 Year Old Single Malt Scotch Whisky」: https://www.malts.com/en-us/products/lagavulin-16-year-old-single-malt-scotch-whisky-750ml
  • Diageo「Lagavulin」: https://www.diageo.com/en/our-brands/scotch-whisky/lagavulin
  • scotchwhisky.com「Lagavulin」: https://scotchwhisky.com/whiskypedia/1874/lagavulin/
  • scotchwhisky.com「Port Ellen」: https://scotchwhisky.com/whiskypedia/2075/port-ellen/
  • ディアジオ ジャパン プレスリリース(2023年6月14日): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000077535.html
  • MHD モエ ヘネシー ディアジオ プレスリリース「ラガヴーリン 8年」発売(2018年5月9日): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000024545.html
  • Ardbeg「History」: https://www.ardbeg.com/en-int/pages/history
  • Ardbeg「About the Process」: https://www.ardbeg.com/en-int/pages/about-the-process
  • Ardbeg「Ardbeg Ten Years Old」: https://www.ardbeg.com/Ardbeg%20Ten%20Years%20Old-1076744.html
  • モエ ヘネシー ジャパン「アードベッグ」: https://www.moethennessyjapan.com/brands/ardbeg
  • プレスリリース「アードベッグ 10年 カスクストレングス」(2026年2月5日、PR TIMES): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000860.000006986.html
  • LVMH「Ardbeg」: https://www.lvmh.com/en/our-maisons/wines-spirits/ardbeg
  • scotchwhisky.com「Ardbeg」: https://scotchwhisky.com/whiskypedia/1808/ardbeg/
  • scotchwhisky.com「The Glenmorangie Company」: https://scotchwhisky.com/whiskypedia/2620/the-glenmorangie-company/
  • 日本食糧新聞「MHD モエ ヘネシー ディアジオ、『モエ ヘネシー ジャパン』に社名変更」(2026年6月10日): https://news.nissyoku.co.jp/news/oka20260609102559398
  • Islay Info「Laphroaig Distillery」: https://www.islayinfo.com/do/distilleries-and-tours/islay-distilleries/laphroaig-distillery
  • Islay Info「Lagavulin Distillery」: https://www.islayinfo.com/do/distilleries-and-tours/islay-distilleries/lagavulin-distillery
  • Undiscovered Scotland「Ardbeg Distillery」: https://www.undiscoveredscotland.co.uk/islay/ardbegdistillery/index.html
  • The Scotch Whisky Regulations 2009: https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/contents
  • The Scotch Whisky Regulations 2009 第12条: https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/12

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よくある質問

キルダルトンの3蒸溜所とはどこですか?
アイラ島南岸で、ポートエレン村から東へ順に並ぶラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグの3つです。業界誌のscotchwhisky.comは島のこの一帯をキルダルトンと呼び、アードベッグの先にはキルダルトン教会の廃墟があります。ラガヴーリンは村から約2マイル、アードベッグは村の東3マイル余りの位置です。
ラフロイグ10年、ラガヴーリン16年、アードベッグ10年の度数は?
日本でサントリーが扱うラフロイグ10年は750ml・43%です。ラガヴーリン16年はディアジオの米国向け公式通販で750ml・43%、アードベッグ10年は公式の製品情報で70cl・46%で、冷却濾過をしないノンチルフィルターです。
3つの蒸溜所のピートの値は公表されていますか?
ラフロイグは公式サイトで10年やカスクストレングスを35〜45ppm(サントリーの説明では40〜45ppm)、アードベッグは公式サイトで最低55ppm(日本の輸入元のブランドページでは50〜65ppm)としています。ラガヴーリンは、公式サイトとディアジオのブランドページに数値の記載が見当たりません。いずれも麦芽を測った値で、瓶の中のウイスキーの値ではありません。

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