復活した閉鎖蒸溜所とは|ポートエレン・ブローラ・ローズバンク

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最終更新 2026-09-30

目次
  1. 早見表
  2. ポートエレン
  3. ブローラ
  4. ローズバンク
  5. ほかに再開した蒸溜所と閉鎖のままの蒸溜所
  6. 買うときに見るところ
  7. 出典

ポートエレン、ブローラ、ローズバンクは、1980〜90年代に操業を止めたのち、その後の所有企業が設備を建て直して蒸溜を再開したスコッチの蒸溜所です。再開はブローラが2021年5月、ローズバンクが2023年6月、ポートエレンが2024年3月で、ブローラとポートエレンはディアジオ、ローズバンクはイアンマクロード社が運営しています。

早見表

蒸溜所地域創業閉鎖再開再開時の所有
ポートエレンアイラ1825年1983年2024年3月19日ディアジオ
ブローラハイランド1819年1983年2021年5月19日ディアジオ
ローズバンクローランド1840年1993年2023年6月5日に蒸溜開始イアンマクロード社(2017年取得)
アナンデールローランド1836年第一次世界大戦後2014年11月9日に初蒸溜デービッド・トムソン、テレサ・チャーチ

年と日付は、各社の発表と公式サイトの記述によります。操業を止めた状態の呼び方は資料によって「閉鎖(closed)」と「休止(mothballed)」に分かれ、英語版Wikipediaはブローラの1983年を休止と書いています。

ポートエレン

アイラ島のポートエレン蒸溜所は1825年の創業です。ディアジオの発表によると、20世紀にディスティラーズ・カンパニー(DCL)の傘下に入り、需要の落ち込みでスコットランド各地の蒸溜所が閉じた1983年に操業を止めました。ディアジオは2017年に、ブローラとあわせて再開の計画を発表しています。

再開は2024年3月19日です。ディアジオはこれを、ブローラの再開や見学施設への投資を含む1億8,500万ポンドの投資の最後の段階と位置づけています。蒸溜器は銅製の2対です。1対は旧ポートエレンの蒸溜器を正確に再現した「フェニックス・スチル」、もう1対は試験的な蒸溜に使う「エクスペリメンタル・スチル」です。後者につながるスピリットセーフは10区画に分かれ、通常は前溜・本溜・後溜の3つに分ける流れのうち、本溜をさらに細かく分けて取り出せます。敷地内には分析用の研究室を置き、熱源には再生可能なバイオ燃料のボイラーを使っています。

ブローラ

ブローラは、ハイランド北部サザーランドのブローラ村にある1819年創業の蒸溜所です。英語版Wikipediaによると、1968年に隣に新しいクライヌリッシュ蒸溜所ができるまではクライヌリッシュの名で操業しており、その後ブローラに改名されました。1983年に操業を止めています。

ディアジオは2021年5月19日に再開を発表しました。1819年に建てた蒸溜棟を解体して石を一つずつ元どおりに積み直し、当初の銅製ポットスチル2基を社内の銅職人が修復しています。年間の生産能力は80万リットルで、ディアジオは自社の蒸溜所の中でも小規模な部類と説明しています。熱源は北スコットランド産の木材チップを燃やすバイオマスボイラーです。再開にあたっては、38年余りぶりとなるブローラの原酒の最初の樽を詰めています。

ローズバンク

ローズバンクは、フォルカークのフォース・クライド運河沿いにあるローランドの蒸溜所です。公式サイトは、1840年にジェームズ・ランキンが創業し、敷地での蒸溜は1798年までさかのぼると説明しています。1993年に操業を止め、公式はその理由に設備更新の費用の高さと運河沿いの立地による物流の難しさを挙げています。2008年には、19世紀の蒸溜器と糖化槽が盗まれました。

2017年にイアンマクロード社が蒸溜所を取得しました。残されていた設計図をもとに旧来の形を再現した蒸溜器を据え、3回蒸溜とワームタブ(蛇管式の冷却器)の組み合わせを復活させています。Whisky Magazineによると、蒸溜器の製作はアバクロンビー社です。公式ブログは新しい原酒の蒸溜が2023年6月5日に始まったと書き、Whisky Magazineは最初の樽(リフィルのバーボンバレル)が7月18日に詰められたと伝えています。見学施設の公開は2024年6月7日です。公式ブログは、この最初の樽「Cask 001」が2026年7月19日に熟成3年を迎えて法令上のウイスキーになったと書き、発売の時期は示していません。同じ地域のほかの蒸溜所はローランドモルトとはにまとめています。

ほかに再開した蒸溜所と閉鎖のままの蒸溜所

アナンデールは1836年創業のローランドの蒸溜所です。公式サイトは第一次世界大戦後に生産を止めたと説明しています。2007年にデービッド・トムソンとテレサ・チャーチが敷地を取得し、2009年に修復を始め、2014年11月9日に最初の原酒を蒸溜しました。

ブラッドノックは、公式サイトによると1817年に蒸溜の免許を受けた蒸溜所です。2015年にデービッド・プライアーが会社を取得し、2年の改修を経て2017年に生産を再開しました。

一方で、ディアジオの記事が取り上げるインペリアル、セントマグダレン、リトルミルなどは再開していません。このサイトの収録では、操業を終えたままの蒸溜所は36件で、閉鎖蒸溜所一覧に地域別に載せています。再建されたポートエレンは、このサイトでは稼働中として数えています。

買うときに見るところ

  • 蒸溜年が書かれていれば、閉鎖前の原酒か再開後の原酒かを見分けられます。スコッチウイスキー協会の指針では、蒸溜年を表示するときは1つの年だけを書き、中身はすべてその年に蒸溜したものでなければならず、瓶詰めの年か年数表示を同じ視野に入る位置に載せます。ポートエレンとブローラは1983年、ローズバンクは1993年が閉鎖の年です。
  • 再開に合わせて出た瓶詰めにも、閉鎖前の原酒を使ったものがあります。ポートエレンの「ジェミニ」は1978年の欧州産オーク樽3つから取った44年熟成の2種、ブローラの蒸溜所限定品は1982年蒸溜の39年熟成です。蒸溜年と年数の読み方はウイスキーのヴィンテージとはにあります。
  • 再開後に蒸溜した原酒は、スコットランドで容量700リットル以下のオーク樽に3年以上寝かせないと、スコッチウイスキーとして売れません(規則3条)。ブローラの再開は2021年5月、ローズバンクの蒸溜開始は2023年6月です。
  • ローズバンクの公式FAQは、現在のレガシーシリーズとして30年・31年・32年の3種を挙げ、いずれも1993年の閉鎖前に樽に詰めた原酒から取ったものと説明しています。

出典

  • https://www.diageo.com/en/news-and-media/press-releases/2024/trailblazing-new-light-shines-in-scotch-whisky-as-port-ellen-distillery-is-reborn
  • https://www.diageo.com/~/media/Files/D/Diageo-V2/Diageo-Corp/press-release/2024/port-ellen-distillery-launch-press-release_-is-cr-v6-updated-comprend.pdf
  • https://www.malts.com/en-gb/distilleries/port-ellen
  • https://www.diageo.com/en/news-and-media/stories/2021/diageo-s-iconic-ghost-distillery-of-brora-is-reawakened-after-38-years
  • https://www.malts.com/en-gb/distilleries/brora
  • https://www.malts.com/en-gb/articles/the-lost-whisky-distilleries-of-scotland-and-the-two-who-came-back
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Brora_distillery
  • https://www.rosebank.com/rosebank-distillery-faqs
  • https://www.rosebank.com/our-story
  • https://www.rosebank.com/our-journal/rosebank-first-iconic-moments
  • https://www.rosebank.com/our-journal/rosebank-rosie
  • https://www.rosebank.com/our-journal/cask-001-three-years-in-the-making
  • https://www.whiskymag.com/articles/rosebank-distillery-restarts-production/
  • https://www.annandaledistillery.com/about-us/
  • https://www.bladnoch.com/pages/our-story
  • https://www.scotch-whisky.org.uk/media/2387/guidance-for-bottlers-and-producers_2025.pdf
  • https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/3

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よくある質問

ポートエレン蒸溜所はいつ再開しましたか。
ディアジオの発表では2024年3月19日です。1825年創業の蒸溜所で、1983年に操業を止めていました。再開後は、旧来の蒸溜器を正確に再現した1対と試験的な蒸溜に使う1対の、計2対の銅製蒸溜器を備えています。
ブローラ蒸溜所はいつ復活しましたか。
ディアジオが2021年5月19日に再開を発表しました。1983年から操業を止めていた1819年創業の蒸溜所で、蒸溜棟を解体して石を元どおりに積み直し、当初の銅製ポットスチル2基を修復して使っています。年間の生産能力は80万リットルです。
ローズバンクはいつ再稼働しましたか。
公式ブログによると、新しい原酒の蒸溜は2023年6月5日に始まり、見学施設は2024年6月7日に公開されました。1993年に操業を止め、2017年にイアンマクロード社が取得しています。3回蒸溜とワームタブの組み合わせを復活させたと公式は説明しています。

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