スコッチウイスキーとは

スコッチウイスキーは、スコットランドで造られるウイスキーの呼び名です。ただし「スコットランド産」というだけでは足りず、英国の Scotch Whisky Regulations 2009 が原料・製法・熟成・アルコール度数まで細かく定めています。このページでは、その法律上の定義と5つの種類を整理し、当サイトが収録しているスコッチ蒸溜所145件のデータと合わせて解説します。

法律上の定義

Scotch Whisky Regulations 2009 が定める主な要件は次のとおりです。

  • スコットランド国内の蒸溜所で、水と麦芽にした大麦を原料として造ること(他の穀物は全粒の状態でのみ加えられます)
  • 糖化はその蒸溜所で行い、原料に由来する酵素だけで糖化し、酵母だけで発酵させること
  • 蒸溜時のアルコール度数が94.8%未満であること
  • 容量700リットル以下のオーク樽に詰め、スコットランド国内で3年以上熟成させること
  • 水とプレーンカラメル(着色料)以外を加えないこと
  • 瓶詰め時のアルコール度数が40%以上であること

「スコットランド国内での蒸溜と熟成」「700リットル以下のオーク樽で3年以上」「40%以上」の3点は、スコッチを名乗るうえでの絶対条件です。

スコッチの5つの種類

規則はスコッチを次の5カテゴリーに分類しています。

シングルモルト — 単一の蒸溜所で、麦芽にした大麦だけを原料に、ポットスチルを使ったバッチ式の蒸溜で造られたものです。「シングル」は単一の樽ではなく単一の蒸溜所を指します。

シングルグレーン — 単一の蒸溜所で造られ、大麦麦芽に他の穀物を加えるなどしてシングルモルトの条件を満たさないものです。

ブレンデッドモルト — 異なる2つ以上の蒸溜所のシングルモルトを混和したものです。

ブレンデッドグレーン — 異なる2つ以上の蒸溜所のシングルグレーンを混和したものです。

ブレンデッドスコッチ — 1つ以上のシングルモルトと、1つ以上のシングルグレーンを混和したものです。

当サイトが収録している範囲

当サイトは、スコッチの蒸溜所145件を地域別に収録しています。

地域収録数稼働中閉鎖蒸溜所
スペイサイド54477
ハイランド433211
ローランド17107
キャンベルタウン13310
アイラ11101
アイランズ770
合計14510936

銘柄は171本を収録しており、カテゴリーは全件がシングルモルトです。これらは54蒸溜所に紐づいています。年数表記のあるものは123本で、5年から25年までの範囲に分布します。蒸溜所名から探す場合はA-Z索引を、操業を終えた蒸溜所をまとめて見る場合は閉鎖蒸溜所一覧をご利用ください。

原料と製法の流れ

シングルモルトの製造は、大麦を発芽させて麦芽にし、粉砕して温水で糖化させ、酵母で発酵させたのち、ポットスチルによるバッチ式の蒸溜を経て、オーク樽で3年以上熟成させる、という流れをたどります。ポットスチルでのバッチ式蒸溜は、シングルモルトを名乗るうえでの法定要件でもあります。蒸溜回数は蒸溜所によって異なり、ローランドは軽快な酒質と三回蒸溜の伝統で知られます。オーヘントッシャンは三回蒸溜を採用している蒸溜所です。個々の蒸溜所の設備や仕込みの仕様は蒸溜所ページに記載しています。

産地による違い

スコッチは伝統的に6つの産地に分けて語られます。このうちアイランズは法律上ハイランドに含まれるもので、各島の蒸溜所をまとめて指す業界上の通称です。蒸溜所が最も密集するのはスペイサイドで、当サイトの収録数でも54件と最多です。アイラにはラガヴーリンカリラといった蒸溜所があり、アイランズにはスカイ島のタリスカーが含まれます。キャンベルタウンは収録13件のうち10件が閉鎖蒸溜所で、現役ではスプリングバンクなどが残ります。産地ごとの一覧は各地域ページからご覧ください。

スコッチとバーボンの違い

バーボンは米国の規定で定義される別のカテゴリーです。米国内で造られること、原料の穀物のうち51%以上がトウモロコシであること、蒸溜時80%以下であること、内側を焦がした新しいオーク樽に62.5%以下で樽入れすること、瓶詰め時40%以上であることが要件です。スコッチが「スコットランド・大麦麦芽(シングルモルトの場合)・樽は新旧を問わず700リットル以下・最低3年」であるのに対し、バーボンは「米国・トウモロコシ主体・新品の焦がし樽・最低熟成期間の規定なし」という点で異なります。なお、バーボンのうち「ストレートバーボン」を名乗るものには2年以上の熟成が求められます。

よくある質問

熟成3年未満のものをスコッチと呼べますか。 呼べません。スコットランド国内で3年以上熟成させることが法定要件のため、それを満たさないものはスコッチウイスキーとして販売できません。

アルコール度数40%未満のスコッチはありますか。 瓶詰め時40%以上が要件のため、ありません。当サイトが収録する171銘柄のうち度数データのある170件も、すべて40%以上(最低40%、最高60%)です。

シングルモルトの「シングル」は樽が1つという意味ですか。 いいえ、単一の蒸溜所という意味です。1つの蒸溜所の複数の樽を混ぜてもシングルモルトです。

関連ページ

よくある質問

熟成3年未満のウイスキーをスコッチと呼べますか。
呼べません。Scotch Whisky Regulations 2009 は、容量700リットル以下のオーク樽に詰めてスコットランド国内で3年以上熟成させることを要件としており、これを満たさないものはスコッチウイスキーとして販売できません。
アルコール度数40%未満のスコッチはありますか。
ありません。瓶詰め時のアルコール度数40%以上が法定要件です。当サイトが収録するスコッチ銘柄171本のうち、度数データのある170件もすべて40%以上(最低40%、最高60%)です。
シングルモルトの「シングル」は樽が1つという意味ですか。
いいえ、単一の蒸溜所という意味です。1つの蒸溜所で麦芽にした大麦だけを原料にポットスチルで蒸溜したもので、その蒸溜所の複数の樽を混ぜてもシングルモルトと呼びます。
スコッチとバーボンは何が違いますか。
生産国・原料・樽が異なります。スコッチはスコットランドで蒸溜・熟成し、700リットル以下のオーク樽で3年以上熟成させます。バーボンは米国で造り、原料の51%以上がトウモロコシで、内側を焦がした新しいオーク樽に詰めます。バーボンには最低熟成期間の規定がありません。

ほかのガイド

ガイドをすべて見る →