ダンネージ式熟成庫とは|ラック式との違い
本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。
最終更新 2026-10-19
ダンネージ式(dunnage)は、石かれんがの壁と土の床を持つ背の低い熟成庫に、樽を横に寝かせて3段までに積む昔ながらの貯蔵のしかたです。ディアジオの用語集は、風通しがよく湿度が高い一方、樽を手で動かさなければならず、運用の費用はずっと高いと説明しています。これに対し、樽を高く積んでより多く置けるのは、鉄の枠に積むラック式と、樽を立ててパレットに載せるパレット式です。
3つの形の違い
キルホーマンの公式サイトの説明をもとに並べると次のとおりです。
| 形 | 積み方 | 庫内と作業 |
|---|---|---|
| ダンネージ式 | 樽を横にして、3段まで | 土の床で自然に湿度が高く、季節による変化が小さい。フォークリフトなどの機械が使えず、手作業になる |
| ラック式 | 鉄の枠に樽を横にして、12段以上のことも | 背が高い。上の樽ほど温度が高く湿度が低いので水の蒸発が多く、下の樽はダンネージ式に近い |
| パレット式 | 樽を立ててパレットに載せ、6段か8段のことが多い | フォークリフトなどの機械で扱える |
キルホーマンは、ダンネージ式は湿度が高く季節による変化が小さいので、庫内のどの樽も同じような速さで熟成すると書いています。ブルイックラディの用語集も、ダンネージ式はパレット式やラック式よりずっと効率が悪いとしています。
法令が決めるのは場所と期間
The Scotch Whisky Regulations 2009 の規則3は、スコッチの熟成を、スコットランドの中で、保税倉庫か認められた場所において、容量700リットル以下のオーク樽で3年以上行うよう求めています。熟成庫の形は定めていません。
英国政府の製品仕様書(2019年6月版)は、スコットランドの涼しく湿った気候では蒸発の量が全体に少なく、水よりアルコールが多く抜けるので、樽の中の度数が下がると説明しています。暖かく乾いた気候では逆に水が多く蒸発して、度数が上がります。同じ仕様書によると、樽の原酒は平均して毎年2%が蒸発します。
蒸溜所の例
| 蒸溜所 | 公式の説明 |
|---|---|
| キルホーマン | 原酒はすべてアイラ島の蒸溜所で熟成。伝統のダンネージ式は土の床に3段、新しく建てたラック式は鉄の枠に10段で積む |
| グレンファークラス | 2025年に6棟のダンネージ式熟成庫の建設を始め、2026年初めの完成で熟成庫は合わせて48棟になるとしていた。1953年11月20日蒸溜の70年はダンネージ式で熟成した |
| ネクニアン | 敷地内のダンネージ式の熟成庫で、さまざまな樽の原酒を熟成している |
グレンファークラスの70年は、ファーストフィルのシェリー樽に詰めたものです。樽の大きさや前の中身の違いはウイスキー樽のサイズとウイスキー樽の種類にまとめています。
ラベルで見るところ
- 熟成庫の形は、ラベルに書く決まりのある事項ではありません。グレンファークラスの70年のように、公式の製品説明でダンネージ式と書く例があります。
- 上の蒸溜所の定番には、グレンファークラス105とキルホーマン・マキア・ベイがあります。
- 熟成中に蒸発して減る分(エンジェルズシェア)などの語はスコッチの用語集にあります。
出典
確認日はいずれも2026年10月19日です。
- Whisky Lingo(ディアジオ malts.com の用語集)
- Why Choose Dunnage Warehouses?(Kilchoman 公式)
- Cask Maturation at Kilchoman(Kilchoman 公式)
- Whisky Words Glossary(Bruichladdich 公式)
- Glenfarclas; 2025 in Review(Glenfarclas 公式)
- Glenfarclas releases its oldest whisky to date: The 70-Year-Old(Glenfarclas 公式)
- Whisky Production(Nc'nean 公式)
- The Scotch Whisky Regulations 2009 規則3(legislation.gov.uk)
- Scotch Whisky Technical File(英国政府・2019年6月)
この記事に出てくる銘柄
家で試すなら
- 本スコッチの本産地ごとに蒸溜所が載っているものを。地図付きだと頭に入ります。Amazonで探す ↗ 広告
- グラスグレンケアン グラス蒸溜所のテイスティングでも出てくる形。まずストレートで一口。Amazonで探す ↗ 広告
- 割り材軟水ミネラルウォーターウイスキー1に常温の軟水1。ブレンダーが香りを見るときの割り方です。Amazonで探す ↗ 広告
※ Amazonの検索結果へのアフィリエイトリンクです。価格と在庫はリンク先でご確認ください。
よくある質問
- ダンネージ式とラック式は何が違いますか。
- ダンネージ式は石かれんがの壁と土の床の背の低い庫に、樽を横にして3段まで積みます。ラック式は鉄の枠に樽を横にして12段以上積むこともあります。キルホーマンの公式サイトによると、ラック式は上の樽ほど温度が高く湿度が低いので水の蒸発が多く、ダンネージ式は湿度が高く季節による変化が小さいので、どの樽も同じような速さで熟成します。
- スコッチはどこで熟成させる決まりですか。
- The Scotch Whisky Regulations 2009 の規則3は、スコットランドの中の保税倉庫か認められた場所で、容量700リットル以下のオーク樽に入れて3年以上熟成させるよう求めています。熟成庫の形の定めはありません。
- ダンネージ式の熟成庫を使っている蒸溜所はどこですか。
- 公式サイトでダンネージ式の熟成庫を使うと書いているのは、キルホーマン、グレンファークラス、ネクニアンなどです。グレンファークラスは2025年に6棟のダンネージ式熟成庫の建設を始めています。

