スピリットセーフとは|ミドルカットを取り分ける箱
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最終更新 2026-10-19
スピリットセーフ(spirit safe)は、再溜釜(スピリットスチル)から流れ出る原酒を目で確かめながら、熟成に回す部分とそうでない部分に振り分ける箱です。ディアジオの用語集によると、多くは真鍮で縁取ったガラス張りの大きな容器で、すべての蒸溜所にあります。中には原酒を受けるガラスの器がいくつも入り、温度計や比重計で流れ出る原酒を調べられます。錠は伝統的に英国の関税・物品税の当局が掛けたもので、税を払わずにニューメイクを抜き取られないようにするためのものです。
前溜・本溜・後溜
英国政府のスコッチの製品仕様書(2019年6月版)によると、2回目の蒸溜で熟成に回すのは中間の「ミドルカット」だけです。最初に出る前溜(フォアショッツ)と終わりの後溜(フェインツ)は、次のローワインと一緒に蒸溜し直します。ミドルカットは、蒸溜担当者が求める品質に達したと判断してから取り始めます。
| 部分 | ディアジオの用語集の説明 | 行き先 |
|---|---|---|
| フォアショッツ(前溜) | 最初の部分。約80%と度数が高すぎ、揮発しやすい成分を多く含む。「ヘッド」とも呼ぶ | 次のローワインと再蒸溜 |
| ミドルカット(本溜) | 前溜と後溜の間の部分。「ハート・オブ・ザ・ラン」とも呼ぶ | 樽に詰めて熟成 |
| フェインツ(後溜) | 度数が低く、使えない成分と多くの水を含む。「テール」とも呼ぶ | 次のローワインと再蒸溜 |
用語集は、前溜から本溜へ切り替える点を「デミスティング・ポイント」と呼び、流れ出る原酒に水を加えても白く濁らなくなる点と説明しています。ブルイックラディの用語集は、スピリットセーフの中の比重計で液の比重を測り、前溜・ミドルカット・後溜に切り分けると書いています。
切り替えの度数と時間は蒸溜所が決める
法令は切り替えの点を定めていません。The Scotch Whisky Regulations 2009 の規則3が求めるのは、原料と製法に由来する香りと味が残るよう94.8%未満で蒸溜することです。各社の公式の説明は次のとおりです。
| 蒸溜所 | 公式の説明 |
|---|---|
| キルホーマン | スピリットセーフを通し、75%から65.5%までの早めの範囲で取る。平均は70% |
| ラフロイグ | 1回目の切り替えは45分後で、業界で最も遅い。2回目は60分後 |
| ボウモア | 蒸溜担当者が取り分けるハート・オブ・ザ・ランだけを樽に詰める |
| ネクニアン | 季節によって切り替えの点を変え、異なるレシピの原酒を造る |
| ポートエレン | 試験用の蒸溜器に10区画のスピリットセーフを置き、本溜からさらに細かく分けて取り出せる |
キルホーマンは、切り替えが早すぎても遅すぎても、後溜の成分が原酒の釣り合いを崩すと書いています。ディアジオの発表によると、通常のスピリットセーフはヘッド、ハート、テールの3つに分けます。ポートエレンの再開の経緯は復活した閉鎖蒸溜所とはで扱っています。
取り分けた後の度数
ディアジオの用語集によると、取り分けたばかりのニューメイクは約70%で無色です。多くの蒸溜所は63.5%まで水で割ってから樽に詰めます。キルホーマンも約70%の本溜をグレン・オサマイルの小川の水で63.5%に下げてから詰め、ラフロイグも63.5%に割ってから樽に移すと説明しています。製品仕様書は、樽に詰める前に60〜70%の間へ加水するのが普通としています。
ラベルで見るところ
- 切り替えの度数や時間は、ラベルに書く決まりのある事項ではありません。確かめるには蒸溜所の公式の製法の説明を見ます。
- 上の蒸溜所の定番には、キルホーマン・マキア・ベイ、ラフロイグ10年、ボウモア12年があります。
- 1回目の蒸溜からの流れと、3回蒸溜・2.5回蒸溜の仕組みは蒸溜回数の違いにあります。
出典
確認日はいずれも2026年10月19日です。
- Whisky Lingo(ディアジオ malts.com の用語集)
- Scotch Whisky Technical File(英国政府・2019年6月)
- Whisky Words Glossary(Bruichladdich 公式)
- The Science of Pot Stills(Kilchoman 公式)
- Cask Maturation at Kilchoman(Kilchoman 公式)
- How to Make Whisky(Laphroaig 公式)
- Our Process(Bowmore 公式)
- Whisky Production(Nc'nean 公式)
- Port Ellen distillery is reborn(ディアジオ 2024年3月の発表)
- The Scotch Whisky Regulations 2009 規則3(legislation.gov.uk)
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よくある質問
- スピリットセーフに錠が掛かっているのはなぜですか。
- ディアジオの用語集によると、錠は伝統的に英国の関税・物品税の当局が掛けたもので、税を払わずにニューメイクを抜き取られるのを防ぐためです。スピリットセーフは真鍮で縁取ったガラス張りの容器で、すべての蒸溜所にあります。
- ミドルカットとは何ですか。
- 2回目の蒸溜で、最初の前溜(フォアショッツ)と終わりの後溜(フェインツ)を除いた中間の部分です。英国政府の製品仕様書によると、熟成に回すのはこの部分だけで、前溜と後溜は次のローワインと一緒に蒸溜し直します。
- 前溜と本溜を切り替える度数は決まっていますか。
- 法令に定めはなく、蒸溜所が決めます。キルホーマンは75%から65.5%まで(平均70%)を取り、ラフロイグは1回目の切り替えを45分後、2回目を60分後としています。法令が定めるのは、蒸溜の度数を94.8%未満にすることです。


