フロアモルティングとは|床で麦芽を作る蒸溜所
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最終更新 2026-10-19
フロアモルティング(floor malting)は、水に浸けて発芽を始めさせた大麦を床に広げ、手で返しながら発芽させる昔ながらの製麦です。ディアジオの用語集は、この方法を続ける蒸溜所は少なく、多くはドラム式の製麦に置き換わったと説明しています。スコッチウイスキー協会の穀物の技術資料(2021年8月、第6版)によると、蒸溜所はふつう、製麦会社との契約で麦芽を仕入れています。
浸麦から乾燥までの流れ
英国政府のスコッチの製品仕様書(2019年6月版)は、伝統的な製麦を次のように説明しています。大麦を2〜3日水槽に浸け、製麦所の床に広げて発芽させ、キルン(乾燥炉)で乾かして発芽を止めます。多くのモルト蒸溜所に見られるパゴダ形の煙突は、このキルンの目印です。ディアジオの用語集によると、乾燥では温かい空気を最長30時間ほど送り、麦芽の水分を約4.5%まで下げます。ピートの煙を加えるのもこの段階です。
床での製麦の手順を細かく公開しているキルホーマンの説明は次のとおりです。
| 工程 | キルホーマンの説明 |
|---|---|
| 浸麦 | 寒い時期は8時間、暖かい時期は12時間の浸漬を繰り返し、どちらも合計48時間。水温は12〜16℃が理想 |
| 床での発芽 | 床に手で広げ、4時間ごとに伝統的な道具で返す。ここまでに約5日 |
| 乾燥 | 地元のピートを10〜15時間ほど焚き、その後約20時間かけて水分を下げる |
| 仕上がり | フェノール値は約20ppm |
自前の床で製麦する蒸溜所
| 蒸溜所 | 公式の説明 |
|---|---|
| ラフロイグ | 床には最大7トンの大麦を広げ、毎日返す。週7日の仕事。1840年に建てたキルンで、乾かす前にピートの煙を10〜12時間当てる |
| ボウモア | 自前の製麦棟を持ち、昼も夜も4時間ごとに手で大麦を返す。キルンには炉が2つあり、煙が金網の床を通って上がる |
| キルホーマン | 床での製麦を続ける一握りの蒸溜所の一つ。「100%アイラ」は大麦から瓶詰めまでをすべて蒸溜所で行う |
| ベンリアック | 「モルティング・シーズン」は、蒸溜所の歴史ある床の製麦所で作った麦芽だけで造った |
ベンリアックの公式サイトによると、蒸溜所は1900年から1965年まで蒸溜を止めていましたが、その間も床の製麦所は動き続け、隣のロングモーンに麦芽を送っていました。2つの蒸溜所は小さな鉄道で結ばれていました。
自前の床で作る麦芽だけで足りるとは限りません。キルホーマンが床の麦芽で造ると書いているのは「100%アイラ」で、ほかの製品の麦芽の調達はアイラモルトとはで扱っています。ラガヴーリンとアードベッグが自前の製麦をやめた年はキルダルトンの3蒸溜所にまとめています。
法令は製麦の場所を問わない
The Scotch Whisky Regulations 2009 の規則3は、仕込み、糖化、発酵を蒸溜するのと同じ蒸溜所で行うよう求めていますが、製麦はその中に入っていません。製麦会社から買った麦芽でもスコッチになります。スコッチウイスキー協会の技術資料は、スコッチの評価は伝統的な製法とスコットランドでの生産に基づくもので、スコットランド産の穀物だけを使う決まりはこれまでなかったと書いています。
ラベルで見るところ
- 製麦のしかたは、ラベルに書く決まりのある事項ではありません。キルホーマンの「100%アイラ」やベンリアックの「モルティング・シーズン」のように、製品名や公式の説明で示しているものがあります。
- 上の蒸溜所の定番には、ラフロイグ10年、ボウモア12年、キルホーマン・マキア・ベイがあります。
- ピートの強さを示すppmの読み方はウイスキーのピートとはにあります。
出典
確認日はいずれも2026年10月19日です。
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よくある質問
- フロアモルティングとは何ですか。
- 水に浸けた大麦を製麦所の床に広げ、手で返しながら発芽させ、キルンで乾かして麦芽にする昔ながらの製麦です。ディアジオの用語集によると、続けている蒸溜所は少なく、多くはドラム式の製麦に置き換わりました。
- フロアモルティングをしている蒸溜所はどこですか。
- 公式サイトで自前の床での製麦を説明しているのは、ラフロイグ、ボウモア、キルホーマン、ベンリアックなどです。ボウモアは昼も夜も4時間ごとに手で大麦を返し、ラフロイグは床に最大7トンの大麦を広げて毎日返すと書いています。
- 麦芽を製麦会社から買ってもスコッチと名乗れますか。
- 名乗れます。The Scotch Whisky Regulations 2009 の規則3が同じ蒸溜所で行うよう求めるのは仕込み、糖化、発酵で、製麦は含まれません。スコッチウイスキー協会の技術資料によると、蒸溜所はふつう製麦会社との契約で麦芽を仕入れています。


