シングルモルトとブレンデッドの違い
ウイスキーのラベルに並ぶ「シングルモルト」「ブレンデッド」「シングルカスク」といった言葉は、品質の格付けではありません。原料に何を使ったか、いくつの蒸溜所の原酒を合わせたか、いくつの樽から瓶詰めしたかという、数え方と作り方の分類です。ここを押さえると、ラベルの表記だけで中身の構成がわかるようになります。
「シングル」が意味するもの
スコッチにおける「シングル」は、単一の蒸溜所で蒸溜されたという意味です。単一の樽という意味ではありません。
ここは最も誤解されやすい点です。1本のボトルの中に、同じ蒸溜所で蒸溜された何十もの樽の原酒が混ぜ合わされていても、他の蒸溜所の原酒が入っていなければ、それはシングルモルトです。年数表記のあるボトルの場合、表記された年数は混ぜ合わせた原酒のうち最も若いものの熟成年数を指します。
「単一の樽から瓶詰めした」ことを指す言葉は、後述の「シングルカスク」です。用語が別に用意されているということは、シングルモルト=単一樽ではない、ということでもあります。
「モルト」が意味するもの
モルトウイスキーは、原料が大麦の麦芽(モルト)のみであるウイスキーです。仕込み・発酵を経て、単式蒸溜器(ポットスチル)で蒸溜されます。ポットスチルは1回ごとに中身を入れ替えて蒸溜する方式です。
対してグレーンウイスキーは、スコッチのうちモルトウイスキーに当たらないものを指します。大麦麦芽に加えて、とうもろこしや小麦といった穀物を原料に用い、連続式蒸溜機で蒸溜されるのが一般的です。連続式は原料を連続的に投入して運転できる方式で、大量生産に向きます。
つまりモルトとグレーンの違いは、原料と蒸溜機の方式という二つの軸で決まります。なお、スコッチウイスキーを名乗るには、スコットランドの蒸溜所で蒸溜し、スコットランド国内でオーク樽に詰めて3年以上熟成させることが要件です。
用語の対応表
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| シングルモルト | 単一の蒸溜所で、大麦麦芽のみを原料に、ポットスチルで蒸溜したウイスキー |
| ブレンデッドモルト | 複数の蒸溜所のモルトウイスキーを混ぜ合わせたもの(グレーンは含まない) |
| シングルグレーン | 単一の蒸溜所で造られたグレーンウイスキー |
| ブレンデッドスコッチ | モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたもの |
| シングルカスク | 1つの樽の原酒だけを瓶詰めしたもの |
| カスクストレングス | 瓶詰め時に加水して度数を調整していないもの |
シングルカスクとカスクストレングスは別の概念で、片方だけに当てはまるボトルもあります。前者は「いくつの樽から詰めたか」、後者は「加水したかどうか」の話です。
当サイトが収録しているシングルモルト
当サイトが収録しているスコッチの銘柄データは171件で、その区分は全件がシングルモルトです。蒸溜所ごとにまとめると54蒸溜所になります。いずれも稼働中の区分の蒸溜所です。地域別の内訳は次のとおりです。
スペイサイド(18蒸溜所・63銘柄)
グレンファークラス、グレンフィディック、マッカラン、アベラワー、グレンアラヒー、バルヴェニー、グレンリベット、アンノック、ベンリアック、ベンロマック、クレイゲラヒ、グレングラント、グレンマレイ、モートラック、タムデュー、グレンロセス、カーデュ、ストラスアイラ
ハイランド(15蒸溜所・41銘柄)
グレンモーレンジィ、ダルモア、グレンゴイン、グレンドロナック、バルブレア、オーバン、オールドプルトニー、トマーティン、アバフェルディ、ダルウィニー、エドラダワー、グレンギリー、グレンカダム、ベンネヴィス、クライヌリッシュ
アイラ(8蒸溜所・29銘柄)
アードベッグ、ラフロイグ、ボウモア、ブルイックラディ、ブナハーブン、カリラ、キルホーマン、ラガヴーリン
アイランズ(6蒸溜所・20銘柄)
タリスカー、ハイランドパーク、アラン、ジュラ、トバモリー、スキャパ
ローランド(4蒸溜所・8銘柄)
オーヘントッシャン、ブラッドノック、グレンキンチー、ローズバンク
キャンベルタウン(3蒸溜所・10銘柄)
蒸溜所名をたどると、その蒸溜所の個別ページで収録銘柄をまとめて確認できます。閉鎖蒸溜所を含むスコッチ蒸溜所の全体像はA-Z索引にあります。
地域で見る/年数表記で見る
地域ごとの蒸溜所一覧は、スペイサイド・ハイランド・アイラ・アイランズ・ローランド・キャンベルタウンの各ページにまとまっています。銘柄数の多い順に見ると、スペイサイドとハイランドで収録銘柄の半分以上を占めます。
年数表記という軸でも見え方が変わります。収録171銘柄のうち、年数表記があるものは123件、表記のないもの(ノンエイジ)は48件でした。年数表記の範囲は5年から25年です。アルコール度数は、記載のある170件で40%から60%の範囲に分布しています。
なお、これらは収録データを数えた結果であり、優劣を示すものではありません。当サイトは実飲にもとづく評価を掲載していません。
関連ページ
よくある質問
- シングルモルトの「シングル」は単一の樽という意味ですか。
- いいえ。「シングル」は単一の蒸溜所で蒸溜されたという意味です。同じ蒸溜所の複数の樽の原酒を混ぜ合わせていても、他の蒸溜所の原酒が入っていなければシングルモルトです。単一の樽から瓶詰めしたものは「シングルカスク」と呼び、別の用語が用意されています。
- モルトウイスキーとグレーンウイスキーは何が違いますか。
- 原料と蒸溜機の方式が違います。モルトウイスキーは大麦の麦芽のみを原料とし、単式蒸溜器(ポットスチル)で蒸溜します。グレーンウイスキーはとうもろこしや小麦など大麦麦芽以外の穀物も用い、連続式蒸溜機で蒸溜します。
- シングルモルトとブレンデッドスコッチの違いは何ですか。
- ブレンデッドスコッチは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたものです。複数の蒸溜所のモルトウイスキーだけを混ぜたものは「ブレンデッドモルト」と呼び、グレーンを含まない点で区別されます。
- このサイトにはシングルモルトが何銘柄収録されていますか。
- データ上は171銘柄で、蒸溜所ごとにまとめると54蒸溜所です。地域別の内訳はスペイサイド18蒸溜所63銘柄、ハイランド15蒸溜所41銘柄、アイラ8蒸溜所29銘柄、アイランズ6蒸溜所20銘柄、ローランド4蒸溜所8銘柄、キャンベルタウン3蒸溜所10銘柄です。