スペイサイドモルトとは|稼働47蒸溜所の分布と地域の成り立ち

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最終更新 2026-09-30

目次
  1. 早見表
  2. 選挙区で決まる範囲
  3. 蒸溜所が集まった経緯
  4. ダフタウンやリベット谷という呼び方
  5. 味の傾向と例外
  6. 買うときに見るところ
  7. 出典

スペイサイドモルトは、スコットランド北東部で、スコッチウイスキー規則2009が「スペイサイド」と定める範囲で蒸溜されたモルトウイスキーです。範囲は同規則の10条がマリー議会とハイランド議会の選挙区を単位に決めており、このサイトの収録では54蒸溜所のうち47件が稼働しています。

早見表

項目内容
法令上の範囲マリー議会の8選挙区と、ハイランド議会のバデノック・アンド・ストラススペイ選挙区
ハイランドとの関係ハイランド地域の内側にあり、どちらの地名も表示できる
このサイトの収録54件(稼働47・解体5・閉鎖2)
創業年が集まる時期1820年代に7件、1891〜1898年に22件
地区の呼び方ダフタウン、ロセス、リベット谷など。慣用で法令の区分ではない

選挙区で決まる範囲

規則10条は、マリー議会のバッキー、エルギン市北、エルギン市南、フォカバーズ・ランブライド、フォレス、ヘルドン・アンド・レイク、キース・アンド・カレン、スペイサイド・グレンリベットの8選挙区と、ハイランド議会のバデノック・アンド・ストラススペイ選挙区をスペイサイドとしています。ハイランドは境界線より北のスコットランド全体なので、スペイサイドはその内側に入ります。地名を表示できるのは、その範囲で蒸溜したウイスキーだけです。

5つの地名の関係はスコッチの産地の違いに、ハイランドはハイランドモルトとはに、蒸溜所の一覧はスペイサイドの蒸溜所にまとめています。

蒸溜所が集まった経緯

スコッチウイスキー協会によると、1820年代には年に1万4,000基もの密造の蒸溜器が押収されていました。1823年の物品税法で、10ポンドの免許料と、プルーフスピリット1ガロンごとに定めた額を払えば蒸溜できるようになります。リベット谷のジョージ・スミスが免許を受けたのは1824年11月9日だと、スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティがシーバス・ブラザーズのアーキビストの話として伝えています。このサイトの収録でも、1820年代に創業した7件のうち5件が1824年です。

19世紀後半には鉄道が通りました。業界誌 Whisky Magazine によると、沿線の蒸溜所は大麦や麦芽、石炭、空き樽などを鉄道で受け取っていました。このサイトの収録では、1891〜1898年の創業が22件あります。スコットランド歴史環境局は、1898年創業のダラスドゥーを、好況期に建ったヴィクトリア朝後期の典型的な蒸溜所としています。1921年に買い取ったベンモア・ディスティラリーズは、隣の鉄道から引込線を敷きました。

1898年12月には、リースに事務所を構えていたブレンダーのパティソン社が破綻しました。業界誌 scotchwhisky.com によると、建築家チャールズ・ドイグはハイランドに新しい蒸溜所が50年は建たないと予言し、次の新設は1949年でした。このサイトの収録でも、スペイサイドの創業年は1898年の次が1957年です。

ダフタウンやリベット谷という呼び方

町や谷の名前で分ける呼び方は慣用で、法令には出てきません。

呼び方稼働中の蒸溜所の例
ダフタウングレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、モートラック、ダフタウン、グレンダラン
ロセスグレングラント、グレンロセス、スペイバーン、グレンスペイ
リベット谷ザ・グレンリベット、タムナヴーリン、ブレイヴァル

ディアジオは、1823年創業のモートラックが物品税法のあとダフタウンで最初の合法な蒸溜所になったと説明しています。ウィリアム・グラント&サンズは、1887年のクリスマスにダフタウンでグレンフィディックの蒸溜が始まり、5年後にバルヴェニーを開いたとしています。リベット川は、スペイ川の支流エイヴォン川に合流します。

味の傾向と例外

スコッチウイスキー協会は、スペイサイドのウイスキーをピートが控えめで果実の香りが多く、シェリー樽で熟成されることが多いと紹介しています。これは地域全体の傾向の説明で、造りは蒸溜所ごとに違います。

ベンリアックはピーテッドの原酒を年に1度蒸溜しており、公式サイトはそれを「スペイサイドの伝統では珍しい」と説明しています。トミントール蒸溜所にもオールドバランテュランというピーテッドの銘柄があります。

ザ・グレンリベットとグレンフィディックはグレンリベットとグレンフィディックの違いで比べています。アベラワーは、オロロソ・シェリー樽とアメリカンオーク樽で熟成した原酒を合わせているとペルノ・リカールが説明しています。

買うときに見るところ

  • ラベルの「Speyside」は蒸溜した場所を示す表示で、熟成や瓶詰めの場所は示しません。
  • 区分名に地名を添えるときは「Speyside Single Malt Scotch Whisky」のように区分名の直前に置くと、規則8条5項が定めています。スペイサイドで蒸溜した銘柄は「Highland」とも表示できます。
  • 名前の後ろに付く「-Glenlivet」は、ほかの蒸溜所が使ってきた接尾語です。業界誌 scotchwhisky.com によると、1884年の取り決めで「The Glenlivet」はスミス家の蒸溜所だけの名前になり、今この接尾語が付くのは一部の独立系ボトラーのラベルだけです。
  • グレンファークラス105の「105」は英国式のプルーフで、日本の輸入元ミリオン商事は度数60%、容量700mlと表示しています。
  • ピートを焚いたかどうかは、地名からは分かりません。

出典

  • https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/10
  • https://www.legislation.gov.uk/uksi/2009/2890/regulation/8
  • https://www.scotch-whisky.org.uk/discover-scotch/story-of-scotch/
  • https://www.scotch-whisky.org.uk/discover-scotch/enjoying-scotch/scotch-whisky-regions/
  • https://smws.com/unfiltered/the-excise-act-of-1823
  • https://whiskymag.com/articles/the-rivers-of-iron/
  • https://app-hes-pubs-prod-neu-01.azurewebsites.net/api/file/5100700e-5ebe-4098-89c3-ab3a00f648fe
  • https://scotchwhisky.com/magazine/whisky-heroes/7852/the-pattison-brothers/
  • https://scotchwhisky.com/magazine/ask-the-professor/17898/why-are-other-distilleries-called-glenlivet/
  • https://www.malts.com/en/mortlach
  • https://www.williamgrant.com/gb/we/
  • https://www.benriachdistillery.com/our-process/
  • https://www.pernod-ricard.com/en/brands/aberlour
  • https://milliontd.co.jp/product/glenfarclas/glc105/
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Dufftown
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Rothes
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Glenlivet

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よくある質問

スペイサイドには蒸溜所がいくつありますか。
このサイトの収録では54件で、稼働中が47件、解体が5件、閉鎖が2件です。創業年は1820年代に7件、1891〜1898年に22件が集まっています。
スペイサイドとハイランドはどう違いますか。
スコッチウイスキー規則2009の10条では、ハイランドは境界線より北のスコットランド全体で、スペイサイドはその内側にあるマリー議会の8選挙区とハイランド議会のバデノック・アンド・ストラススペイ選挙区です。スペイサイドで蒸溜したウイスキーは、どちらの地名も表示できます。
スペイサイドのウイスキーにピートは使われていませんか。
使う蒸溜所もあります。スコッチウイスキー協会はスペイサイドをピートが控えめな傾向の地域と紹介していますが、ベンリアックはピーテッドの原酒を年に1度蒸溜していると公式サイトで説明しています。

ほかのガイド

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